『Mycommonsense』を上梓しました

『はみ出し駐在記』につづいて、2月2日『Mycommonsense』を上梓しました。いずれもKindle本(アマゾンの電子書籍)です。
『はみ出し駐在記』は社会人として、はじめて遭遇した分水嶺で、遅すぎた青春の記録です。
『Mycommonsense ビジネス傭兵の常識―巷の常識/非常識』では職業人としての総まとめを試みました。幸いにして人生もまだ続いていますので、現時点での総まとめです。

下記は『Mycommonsense』の「はじめに」のコピーです。
一九七二年に高専を卒業して工作機械の技術屋をめざしたはずだったのが、気がつけば、傭兵のように日米欧の製造業を渡り歩いていた。四十年以上にわたって日本企業の海外事業展開と欧米企業の日本市場開拓に走り回ってきた。従業員十人に満たないところもあれば、数十万人を誇る巨大コングロマリットまである。主なものだけでも、工作機械、産業用制御機器やソフトウェアから画像処理、X線分析やLED照明もあれば、植物工場や緑化ビジネスにまで携わってきた。
日本(企業)にいては見えないこともあれば、アメリカでは考えられないこともある。ヨーロッパでは常識でも日本では想像もつかないこともある。複数の視点で見ることによってはじめて全体像がつかめることも多い。いく先々でさまざまな状況に直面して試行錯誤するなかで考えてきたことを整理してみた。考えてきたことは傭兵にとっては常識でしかないが、それがそのまま巷で常識なのか非常識なのか分からない。

傭兵の仕事の多くが事業再編や建直しで、ゼロからのスタートというよりマイナスからのスタートだった。市場における自社のポジション、また三年後、五年後の市場における自社の存在価値、ポジションをできる限り明確に描きながらさまざまな戦略を立てて遂行してきた。
五里霧中の戦場にいるときは、戦況を一挙に打開する奇策と思えた戦略でですら、後になって振返ってみれば、不思議なことにどれもこれもフツーことをフツーに考えて、フツーの戦略を立てて、フツーに遂行してきただけのように思える。
何度も反芻し結論に至ったこと、また、どうもうまく説明できないでいることも多い。拙い経験と浅学とその偏りにより事の一面をことさらに強調することになっている点もあると思う。欠陥は多々あるにしても同じような状況にいらっしゃる方々の参考になればと考え、また思い違いや勘違い、考えの至らない点などにつき広く賢兄のご叱責を頂戴できれば幸いと思い、考えてきたことを小冊子『Mycommonsense』にまとめた。

二〇一二年春からホームページ「mycommonsense」に掲載し、『ちきゅう座』に投稿してきた拙稿からビジネスマン諸氏に参考にして頂けそうなものを選んで、視点を再確認するとともに論点を整理して、全面的に書き直した。
2017/2/3