財政学者(経済学者)へのお願い

知り合いから教えてもらって、ある財政学者のYouTubeを観た。観ていて気持ちが荒んできた。がっかりした。
ご自身の領域から離れたところのことなら、その領域の詳細に踏み込むこともなく、一般論としてそこそこ真っ当なことが言える。不注意に詳細に踏み込めば、領域の専門家から厳しい批判にさらされる可能性がある。ご自身の専門領域では同僚の研究や発言にたいして、真正面から厳しい批判はしにくいが、隣の領域のことなら言えるというのが見えた。

コロナ禍で世界中がパニックに陥っている。感染が広がって医療体制が崩壊したところもある。経済活動を極端に制限せざるを得ない状態が続けば、日常生活に支障をきたすだけでなく、倒産と負債の急増の危険が迫ってくる。

世界中をあげて感染症の専門家や公衆衛生の専門家や医療現場の専門家たちがコロナウィルスに立ち向かっているなかで、経済学者や財政学者が担わなければならないのは、その専門たちや行政の不手際を批判することではないだろう。
ソ連の崩壊は経済合理性に欠けた官僚支配に根源があるが、最後のきっかけは財政崩壊だった(と思っている)。コロナウィル禍は多くの死者を伴うかもしれないが、やがて終息に向かう。そのとき、あるいはそれ以前に日本という国が財政破綻を起こしたら、そしてインフレでも起きたら、コロナウィルス禍は長引くし、経済復興が極端に難しいものとなる。

ここで素人からのお願いなのだが、経済学者、とくに財政学の専門家、財政破綻を起こさない政策案を立案、提言して頂けないだろうか。それが学者として専門家としての責任じゃないのかといったら、巷の素人が何を余計ことをと言われるのかもしれないが、切にお願いしたい。財政学者に求められているのは、現状の医療体制や官僚や政治家の無策や不手際をあげつらうことではない。
2020/4/14