YouTube―ウクライナ情勢や中国や……

Webでウクライナ情勢やアメリカや中国などに関する記事を読んでいて、数ヶ月前にYouTubeにも、みなければならないものがあることに気がついた。目立つのは大手マスコミのサイトで、どこもテレビ番組の番外編のような感じで退屈することが多い。ウクライナ関係ともなれば、防衛庁や軍事やロシア関係の研究者がゲスト出演していて、海外のニュースサイトには出てこない話をきけることもある。ただどうしても社としての縛りもあれば、行政との関係も、また研究者として立場もあるからだろう、まさかという話しがでてくことはない。良くも悪くも優等生のご意見を拝聴させていただくまでの番組でしかない。

マスコミから距離をおいて、フリーの評論家やジャーナリストが独りで運営しているようなサイトもある。名のある人もいれば、そのスジの人たちにしか知られていなかった人もいそうだが、何しろサイトが多いから、あれもこれもと見ている時間がない。そんなかでこれを見れば、大まかなことはわかってしまうだろうというサイトがある。
最近毎日欠かさずに見ているサイトをいくつかあげておく。今回は日本語サイトに限定した。

<真・防衛研究チャンネル>
毎日ウクライナの最新情報を伝えてくる。大手マスコミのニュースや他のYouTubeサイトがかすんでしまう。
「【ウクライナ戦況】8月9日、モスクワで石油精製所大爆発!遂に首都まで…、東部で激戦続く!ウクライナ軍コデマを一部奪回」
https://www.youtube.com/watch?v=BkIb5YB4Pao
「【ウクライナ戦況】8月12日。ヘルソン州でウクライナ軍が激しくロシア軍陣地、指揮所、兵站を砲撃中!」
https://www.youtube.com/watch?v=QLNK-a_ASs0
「【ウクライナ戦況】8月15日。アントノフスキー大橋 ロシア軍防空ミサイルで迎撃するも守り切れず(映像あり)」
https://www.youtube.com/watch?v=tX7l3G-cvKU

<神河が征く / わかるニュース解説 KKNewsNetwork>
ちょっと癖がという人もいるだろうが、解説ものとして一聴の価値がある。最近はウクライナ情報が多い。
「ロシア軍の空軍基地が壊滅。ウクライナ軍の特殊部隊の強襲か、はたまた米国が秘密に供与した長射程ロケット弾か」
https://www.youtube.com/watch?v=q8aOpFclMMc
「プーチン大統領の電撃作戦が失敗した原因を解説。経済破綻前に侵略を完遂させるためにシリア傭兵の準備進む」
https://www.youtube.com/watch?v=j8H6wk-Zlsk

<スパイチャンネル ?山田敏弘?>
諜報組織の話でウクライナやロシアではばかりではない。アフガニスタンもあれば北朝鮮のこともある。
「とんでもないロシアのスパイが捕まった」
https://www.youtube.com/watch?v=u1v9m8YQNHA
「ウクライナのスパイが更迭された!」
https://www.youtube.com/watch?v=EBjFxc0snBw
「中国のヤバいスパイの話」
https://www.youtube.com/watch?v=W3Atg3JXVS4
「橋本龍太郎元首相ハニートラップ事件」
https://www.youtube.com/watch?v=a8UjkSQuRdw&t=230s

<MOTOYAMA>
中国系の方ではないかと思わせる、流暢とはいいがたい日本語で解説されているが中国の実情が見える。
「不動産市場の崩壊が開始 中国のエリート族住宅ローン返済やめると宣言」
https://www.youtube.com/watch?v=zkCLEgnnH2w
「中国 失業者2億人 学校が破綻する時代 月収2万円6億人の裏」
https://www.youtube.com/watch?v=9Xeel03XvOU
「中国物価高騰 史上初収入減 物価高を経験」
https://www.youtube.com/watch?v=SWEyf9yw-aY&t=192s1
「中国金融危機 経済の罠」
https://www.youtube.com/watch?v=oF1BwkFrIO4&t=72s
「中国軍関連企業の裏 軍民間企業の融合」
https://www.youtube.com/watch?v=NvwBIKfTfIw
「焼肉屋の奥は深い ナンパの続き」
https://www.youtube.com/watch?v=fIxcmCNR1mY

そんなサイト知ってるよという方もいらっしゃるだろうが、もしまだでしたら、一度ご覧になって頂けたらと思う。
こんなことをわざわざ書く気になったのは、ウクライナに飛んで取材をされてこられたジャーナリストのお話を聞きにセミナーに出かけたことがきっかけだった。

命の危険を承知で戦地にでかけて取材。ジャーナリストの鏡。畏敬の念がある。二時間弱のお話をお伺いした。こういっちゃあ失礼に過ぎるのを承知でいわせて頂けば、まず歴史的な政治的な力学まで含めてウクライナ戦争の全容を理解し尽くすのは不可能だろうということ、そして命の危険が伴う現場では見えるものしか見えないし、聞ける話までしか聞けないという不可避の問題がある。砲弾やミサイルが飛び交う戦場の真っ只中には入ってはいけないだろうし、ウクライナ側だけでなくロシア側の現状とその現状を生み出しているものはなにか……と考えていくと、どんなに優れたジャーナリストにも限界がある。実体験を通して認識できることまでしか知り得ない。そしてその知り得たことを、基礎的知識が充分ではない一般の人たちにご理解いただこうとすれば、基礎知識をもとに二次情報や付帯情報も含めて一次情報を分かりやすく整理する、ジャーナリストというより編集の仕事に怖ろしいほどの時間を割かざるを得ない。

貴重な体験を限られた短い時間で集まった方々に伝えたいと思えば、状況を理解するキーとなるデータを整理して図や表やグラフなども活用して、ご理解いただくという姿勢が求められる。実体験を思いのままに話したのでは、あっちの情報、こっちの情報という石ころがころがっているようなもので、基礎知識が充分でない人たちには、せっかくのお話なのに、吸収できるものですら吸収しえないというもったいない結果になってしまう。
なんのプレゼンテーション史資料もなく配布資料もなしで、実体験をかいつまんで話せばというのは、参加された人たちに失礼にすぎないか?
Webで日々ニュースを追いかけているものには、お話をお伺いして、はてさて何が新しい情報だったのか?と思えてしまう。

さらに言わせて頂ければ、上にあげたYouTubeの方々、誰も現地にいって調査なり取材をしてきたことを報告しているわけではないだろう。なんらかの手段で情報を収集して、それを理解し編集して巷の人たちに分かりやすいように解説している。
何事も知ることから始まる。知らずしては何も考えようがない。でも、知っていること、理解していることを知らない人たちに伝える術をもたなければ、巷の人たちには何も知らないのと変わらない。ジャーナリストには調査と取材だけではなく、編集者として、そして報告者としての能力が求められる。
2022/8/16