授業中にスマホ、何が悪い?
「授業中にスマホは禁止されている?」と入力してググったら、予想した通りの回答がでてきた。学校でスマホが禁止されている理由としては、次のようなことが挙げられます。
1) 注意力が散漫になり、学習に悪影響を及ぼす可能性がある。
2) 友人間のトラブルやいじめの原因となる可能性がある。
3) SNSを通じて悪意のある人物とつながってしまったり、個人情報が流出したりするリスクがある。
2)と3)はいつでもどこでもあることで、授業中だから禁止という理由にはならない。問題は1)だが、これも授業を受けている生徒や学生を管理することを目的とした教える側の一方的な主張にしか聞こえない。そもそも全ての授業が注意力が散漫になりようのない一字一句を注意深く拝聴しなければと思わせるほど充実したものだとでも言うのか?ダラ話のような授業を集中して聴き続ける生徒や学生がいたら、そんな生徒や学生の精神構造が心配になる。
高専の授業の質がよくなかったなんて言う気はないが、本や資料を読んでいるだけのようなものもあった。なかには眠気を誘う活舌の悪さのせいで、目を開けているのが辛い授業もあった。
ちょっと想像してみて頂きたい。知らないから授業を受けているのであって、もし既に知っている話でしかなかったら、授業を受けている時間がもったいない。授業で初めて聞く言葉が何を意味しているのかわからなければ、その場でさっとググって話について行けるようにした方が遥かに生産的じゃないのか?キーワードを調べるぐらいなら、一分もあれば十分なことも多い。キーとなる言葉を理解しないまま話を聞き流すのを求める理由はなんなのか?真面目に話を聞いているように見えることを良しとする姿勢はどこから生まれてくるのか?
生徒も学生もばかじゃない。聞き流したところでたいして困ったことにならないから、聞き流しているだけで、聞き流されてもしょうがない授業をしていることを恥じることはないのかと訊きたくなる。
授業が全く意味をなさなかった経験をあげておく。小学校四年生のときに親の仕事の都合でアメリカの公立小学校に転校した。小学校を終えて帰国して中学一年の二学期に公立中学校に編入した。アメリカにいるときも日本の小学校の教科書を取り寄せて勉強していたが、国語と社会は遅れている。高校受験もあるから、早々に国語そして社会の強化が必要だった。たった三年間でしかないが、教育熱心な地域に住んでいたことも幸いした。生徒の希望と能力に合わせて特進や別カリキュラムが豊富な小学校だった。英語と数学と理科が進んでしまっていて中学校の授業が退屈でならない。
とくに英語の授業は受けようがない。担任の先生は英語の先生だった。中学校の卒業式の後で担任の先生から謝られて驚いた。「私たちがしっかりしていれば、もっと先に進めたんですけど、決められたようにしか授業をできないです」そんなことは言われなくても分かっている。子供もバカじゃない。英語の授業中に国語や社会の勉強をしていた。それをみて見ぬふりをしていたらしい。特に受験間際では英語の授業中に志望校の過去問をやっていたと言っていた。
昨今帰国子女なんて特別なことじゃないし、外国からの生徒もいる。その人たちに合わせたカリキュラムを用意する予算が立たないし、教える側にそれ相当の能力のある人が潤沢にいるわけじゃない。
先生や教授の説明よりググってでてきた回答の方が簡単明瞭で余計な雑音が入っていない。分からないことがあったら、さっとスマホでものの一分かそこらで簡明な説明が得られる。これを禁止する教育者連中は、もう犯罪者に近い気がする。 文句があるならいつでも聞いてやる。ただ一切の無駄を省いた一字一句聞き逃せない授業をしてからにしろ。
たまにでかけるセミナーで聞いたことのない言葉がでてきたら、その場でググるようにしている。講師は自分の専門領域のことを専門用語を使って話す。その世界にズッポリはまって数十年、ご自身が使われている言葉が巷では耳慣れない言葉、あるいは言い回しであることに気がつく機会がないのか少ないのか、俗な言葉で云わせてもらえば、浮世離れ一例のような気がすることがある。
2025/2/10