Windows 10拒否設定(改版1)

PCのユーザーが思うようにならないことに、しびれをきらしたマイクロソフトが、ろくでもないことを始めた。Windows 10へのアップグレードで阿鼻叫喚といっても言い過ぎでないパニックが起きている。

マイクロソフトは、これまでも、Windows 7やWindows 8を使用しているPCに対してWindows 10へのアップグレードを推奨するデータを送りつけてきた。それを受信するたびにアップグレード画面が表示される。特別考えることもなく、あるいはよく分からずにWindows 10にアップグレードしてしまったはいいが、いろいろなことで困っている人たちも多い。
多少注意する人たちは、そんな画面が表示されたところで、アップグレードしないをクリックして終わっていた。ただ何度も送ってくるから、その度にアップグレードしないを選択する作業をしなければならない。それだけでも、うっとうしいのに、今度は、流石にマイクロソフトとでも言おうか、勝手にWindows 10のダウンロードを始めるようにした(としか思えない現象に遭遇した)。
性質の悪いことに、始まってしまったのに気が付いて、中断しても既にダウンロードしたコマンド?がレジストリを書き換えたのか、翌日電源を入れて、いつものようにPCを使おうとしたら、インターネットに接続できない。ちょっと面倒というか心配な作業をして、システムをダウンロードが始まる前の状態に復旧した。
復旧して、いつものように作業していたら、またダウンロードが始まった。中断して復旧して。これを何度か繰り返した。家に火炎瓶を放り込まれたようなもので、放り込まれたら復旧する。復旧したら、また放り込まれた。また復旧して。勝手にダウンロードが始まるから、PCの電源を入れたままでは、おちおちトイレにも行けない。

Windows 10は最新のOSだから旧来のWindows 7やWindows 8よりいいんじゃないかと思う人がいるかもしれないが、Windows 8のユーザーならいざ知らず、Windows 7で何も困っていない人たちにとって、Windows 10にアップグレードするメリットが分からない。あるかもしれないメリットより、システムが変更になることで生じるかもしれないトラブルの方が心配になる。さらに、アップグレードにあわせてタッチスクリーンも買うのか?というバカな質問が出てくる。
世界中の多くの企業ではWindows 7のままで、Windows 10にアップグレードするところは少ない。これほどまでにマイクロソフトがWindows 10へのアップグレードを勧誘しても、法人も個人も合わせて五十パーセント以上のユーザーはWindows 7で、Windows 10のユーザーは十七%に留まっている。十七パーセントの何割かは勝手にか不注意でアップグレードされてイヤな思いをしているか困っている。ちなみに、とても使う気はなれないWindows 8は十五パーセント。

Windows 7には豊富なアプリケーションソフトがそろっていて、意識することもなく使っていることが多い。使っているアプリケーションソフトのドライバがWindows 10にも用意されているという保証はない。もしドライバがなければ、Windows 10上でそのアプリケーションソフトは動かない−使えない。
Windows 10にアップグレードしたとたんに、よく動かなくなるアプリケーションソフトにインターネット関係のソフトウェアがあるらしい。Wi-Fiが使えないという苦情が相当でている。

Windows 10にアップグレードするかしないかは個人の自由だが、もしアップグレードは避けたいとお考えなら、下記のurlに入って、アップグレードを拒否するようPCを設定することをお勧めする。

Aka.ms/w10hus
ここにアップグレードを拒否する設定がステップ・バイ・ステップで書かれている。DOSプロンプト上でコマンドを使うので、不慣れな人には心配だろうが、手順通りやればいいだけで、たいした作業ではない。
とは言うものの、使っているのはWindowsなのに、アップグレードしない/されないようにするのにDOSプロンプト?何でマイクロソフトは、そこまでしてWindows 10にしたいのか?裏に何かあるのではないかと勘ぐってしまう。

マイクロソフトのホームページに顧客サポートの電話番号が記載されている。0120-952-593。ここに電話をかけても、「お客様のご意見は非常に大事です」というようなメッセージを聞かされているうちに、回線を切られる。折り返し電話をしてくるというからメッセージを残したが、案の定してこない。メールで問い合わせても、返事はいつ来るのか分からない。何が大事だ、うそつきがと言いたくなる。
マイクロソフトとは「小者でやわい」という意味だと思ってはきたが、それが高じて強制アップグレードはないだろう。
使える電話番号は、消費者センターで教えてもらった0120-542-244。忍耐強く担当者が出てくるのを待つしかないが、それでも使える。

Windows 10へのアップグレード後31日以内ならWindows 7に復旧(ダウングレード)できる。ただし、Windows 7の初期状態(マイクロソフトの都合のいい設定)に戻ってしまうから、あれこれの設定をし直すことになる。たとえばウィルス対策ソフトウェアを再設定しないと動かない。カルペススキーではこれが起きた。

<Windows間のシェア>
Windows 7、8、10のシェアは、2016年5月30日付けEconomist誌の記事「Why upgrade to Windows 10?」から引用した。 urlは下記の通り。
http://www.economist.com/news/science-and-technology/21699372-microsofts-offer-free-upgrade-windows-10-about-expire-why-upgrade-windows-10
2016/6/12