市場とは−東京の特殊性

情報収集から情報発信まで、ビジネスを遂行する際に必要なコンタクト先が目と鼻の先にあるのは世界でも東京をおいて他にない。世界に類のない東京の特殊性が以外に知られていない。個々については知っているどころか何らかのかたちで付き合いがあるはすなのだが、個々を有機的に関連付けないと東京の総合力を活かしきれない。東京に居ながらにして活用しないのはもったいないとしいいようがない。
活用するには、お会いして頂ける相手にとって興味のある情報をこっちが持っていることが必須となることに注意しなければならない。会う度に新しい情報を得られる、話をする度に見落としていた視点に気付かされる、啓発されるがなければ、お互い時間を調整して会おうとはしない。自分が何をもっているのか、自分が何を知らなければならないのか、その知らなければならないことを知っている人や組織はどこか。フツーの話ででしかない。
東京には知っている人や組織が集積している。人任せではなく、自らがその中に入る努力はしなければならない。誰も全ての一次データを持っているわけではない。多くは聞きづて、あっちで聞いて、こっちで見て、見聞きしたことを自分の経験や知識で整理して、起きていることの全体像を描き切る。そこから全てが始まる。
<行政機関>
言及するまでもない。
<規格団体や行政の外郭団体>
歴史的経緯も含めて業界の全体像、これから進む方向、標準化など掴み得る。
<工業会、産業界事務所>
伝統工芸や多少の例外はあるだろうが、全ての工業会、産業界の業界事務所が東京のいくつかの区にある。そのほとんどが千代田区、中央区、港区で、たまに渋谷区などというのもあるが、足立区もなければ練馬区もない。軒をならべているとは言わないが、東京のほんの一部の地域に全ての工業会や産業界が事務所を構えている。なかには海外の工業会の事務所まである。お隣の国ばかりではなく“イタリア工作機械・ロボット・オートメーション工業会”などというのもある。市場開拓の準備段階から貴重な情報源になる。団体名簿や年鑑など他にはない貴重な資料を入手できる。
<大学や研究機関>
首都圏のエリアでみれば、大学や行政がらみの研究機関から企業の研究所まで、日本で最も研究機関が集積している。産学協同は響きがいいが要注意。長年のお付き合いもなく、強力な推薦でもなければ実体のところまではなかなか切り込めない。タニマチになりかねない。
<新聞や業界誌>
業界事務所と同じようにほとんど全ての全国紙、産業新聞、業界紙が東京にある。広く浅く、一般的な視点で見たいのなら全国紙や産業新聞で十分だが、個々の業界を多少なりとも掘り下げて知ろうと思えばそれぞれの業界、それもその業界のなかでのニッチな部分に特化した業界紙の存在はありがたい。
新聞社は公器の自負もあってか相談に乗ってくれるところが多い。業界紙は特集号があればバックナンバーを購入するのが礼儀。両者とも広告宣伝がと思うが、出世払いでも快く受けてくれるところも多い。
<展示会>
大阪にもインテックス大阪という展示会場があるし、各地方都市にもそれなりの展示会場がある。ただ残念なことに出展者も来場者数も減りすぎて展示会場は東京の東京ビッグサイトと幕張メッセに、業界によっては東京フォーラムと横浜のパシフィコ横浜になってしまった感がある。
<拡販作業外注先>
伝統的な広告宣伝からホームページ作成、さらにテレマや市場調査関係、データマイニングなど、市場開拓のさまざまなプロセスで頼りになる外注先にはことかかない。ただし、営業マンのなんでもできますというセールストークに乗せられないよう。なんでもできますとはなにもできないのと同義語の場合が多い
<エンジニアリング他の外注先>
東京都内から首都圏にエリアを広げれば、サイエンスから現場工事に至るまで外注先探しで困ることは少ない。
2015/2/25