何に対する金利なのか(改版1)

ランニングコストはかなり低減できる製品なのだが、初期コストが高すぎて売るに売れない、買うに買えないで袋小路に入っていた。そこに、社長が日本でも最大手と言われるリース会社と割賦販売の合意を取り付けてきた。そんな金利で可能なのか、知らなかったと(早計にも)無知を恥じた。
早速、実案件の詳細をリース会社の課長に連絡して、割賦販売にした場合の金利と顧客が支払う総額の資料をお願いした。頂戴した資料に記載されているいくつかの情報(とでもいうのか?)−金利と支払い総額の関係が分からない。金融を專門としている訳ではないが、金利と支払い総額の計算くらいは誰でもできる。どこから出てきたの分からない数字、相互関係がはっきりしない数字が並んでいる。並んでいる数字をExcelに入力して数字と数字の関係を探す。どう考えても、この数字とこの数字の関係や定数は。。。数字の関係をどのように解きほぐしても、聞いていた金利からかけ離れた金利と計算式しかでてこない。
いくら考えても分からない。所詮素人の限界と諦めた。恥を忍んで、解読した内容を箇条書きにして、頂戴した資料に対するこちらの理解をまとめた。もし理解が合っていれば、聞いていた話とも、金融機関が使っている金利計算ともかけはなれたものになるが…とメールで問い合わせた。
返ってきた回答、要を得ないというより故意に分かり難くしている節がある。どう考えても、分かりにくくして客を騙すごまかし(失礼?)があるようにしか思えなかった。ごまかしがあるから、出自の分からない数字と数字の関係など、いくら解きほぐそうとしても合いっこない。合わない計算をさせられていた。
真っ当なビジネスの世界にいる者として“騙す”や“ごまかし”という言葉を使うのに躊躇を超えた戸惑いと不安がある。もしこっちの知識が足りないがゆえに誤って“騙す”や“ごまかし”と言ったら、失礼にあたるどころか訴訟沙汰になりかねない。恐る恐るリース会社の課長に頂戴した回答の内容を理解できないで困っていると連絡した。
忙しいなか時間を割いて説明のために来社してくれた。金利と金利計算式の疑問を改めて説明した。答えを聞いてというのか答えにならない話を聞いて唖然とした。「顧客には割賦販売の価格と金利だけを提示して、一括払いの価格を伝えてはだめですよ。」「実案件で既に顧客には一括払いの見積もりを提出済みなんですけど。。。」「どの客に行っても一括払いの価格と割賦販売の価格の両方の提示を求められると思うのですが、。。。」「だめですよ。顧客に割賦販売の価格と一括支払いの価格を比較させては、。。。」
初期コストが高すぎて導入が進まないビジネス−売る方にとっても、買う方にも公表された金利は天の助けに見える。是非とも活用したい。素人考えで申し訳ないが、その活用、元値を明かさない値引きのようなものにしか見えない。公表されている金利とは一体何に対する金利なのか。何に対する金利なのかを明かさない金利というのがあるのをはじめて知った。課長の主張は、客が割賦販売の価格に納得して成立したリース契約だということなのだろう。
転職先で、数年前に起きたことと全く同じことが中堅リース会社の提案でまた起きた。それまでは、大手リース会社の仕事の仕方が噂通り荒っぽいからなのだと想像していた。頂戴した見積(情報?)に記載されていた数字と数字の関係、金利と支払総額。。。を整理して前回と同じように説明を求めた。何度問い合わせても回答が来なかった。まともな回答を出せないとでも思ったのか、それとも、細かなことを聞いてくる相手には関わらないで、スルっと通ってしまう相手を探しているのか。
米国に駐在したとき車をリースした。買いたいのならxxxでと販売価格は明示されている。三年リースであれば、金利いくらで、月々に支払いはいくら。満期三年になる前にリースを解約するといくらかかるか。。。全て明示して説明して客の納得のもとでリース契約になる。当然だろう。
素人の理解で不安があるが、何に対する金利なのか明確にしないでのリース契約、米国だったら詐欺になるのではないか?どちらもよく知られたリース会社。二社との取るに足りない経験からでしかないが、日本のリース業界の体質という訳ではないと信じている。無知な素人の勘違いであればいいのだが。
2015/4/29