百万人以上のはずがたったの六千人

共和党が圧倒的な強さを誇るオクラホマ州タルサで、なんでそんなことが起きたのか、なんとも説明のつかないことが起きた。六月二十日、一気に劣勢を挽回しようとトランプが選挙集会を開いた。会場は一万九千人収容できるバンク・オブ・オクラホマ・センター 。トランプ陣営は百万人を越える参加予約があったとツィッターなどで気炎を上げていたが、地元消防関係者によれば、集まったのはたかだか六千人。会場に入りきれない人たちが場外に溢れているだろうから、まず会場前で一席ぶってからと目論んでいたトランプが目にしたのは、Black Lives Matterのデモだった。

集会やデモの参加者数に主催者発表と警備に責任のある行政関係の発表に違いがあるのはいつものことで驚きはしないが、それにして百万人以上の大集会が六千人というのは前代未聞の珍事に近い。百万人が五十万人ならまだしも、たったの六千人。嘘八百のトランプでも、まさかこんなみっともないことになる大ぼらを吹いたとは思えない。

ゴシップや三面記事で売っている「Mail Online」が、待ってましたかのように珍事に荒唐無稽な尾ひれをつけた。
「White House press secretary Kayleigh McEnany says Trump is NOT racist to call covid 'kung flu' and claims offensive term is to 'label its place of origin'」
https://www.dailymail.co.uk/news/article-8448449/White-House-press-secretary-Kayleigh-McEnany-says-Trump-not-racist-call-coronavirus-kung-flu.html

空予約には、中国発の動画共有アプリTikTok(ティックトック)の利用者と韓国音楽Kポップのファンたちがからんでいるのではないかといっている。FacebookやTwitterならまだしも、なんでここでTikTokやK-Popがでてくるのか。アメリカの話であって、韓国でもなければアジアのどこかの集会ではない。

都合のいい嘘をまき散らして、都合の悪いことは他人のせいにおっかぶせてきたトランプがどういうわけか、おとなしい。さしものトランプもトランプ陣営も「Mail Online」のバカ話に乗るわけにもいかない。「Kung flue」までなら何の説明もいらないが、TikTokやK-Popといわれても、普通のアメリカ人は誰も知らない。いくら陰謀好きのアメリカ人でもそこまではついていけいない。

六月二十二日付けで、BBCが「トランプ陣営、Kポップ・ファンによる『偽予約』否定 支持者集会の空席めぐり」でトランプ陣営が二一日にこの陰謀説を否定していると伝えている。
https://www.bbc.com/japanese/53133052

百万人が六千人、いよいよトランプも終わりかと笑い話のタネにすればいいが、トランプ陣営の選挙参謀どもは致命的なでは済まされない。合法非合法の利益誘導もあれば脅迫も大衆誘導のプロパガンダもなんでもありの選挙のプロ集団がなにをどう間違ったら、六千人しか動員できなかったのか。Twitterに続いてFacebookからも締め出されて、慌ててTikTokやK-popはないだろう。
実の姪が暴露本まで出版するところまできた沈没寸前の泥船トランプ。まさか、陣営内に自嘲したくなった集団がいて笑いのタネをつくったということでもないだろう。メディアを使ったプロパガンダにたけた優秀なプロ集団が六千人ほどの実勢を百万人以上と勘定するなんて手違いを起こすのか? それとも、嘘の生神様に仕えてるとそんな間違いもするようになってしまうのか。

財布には六千円しかないのに、百万円以上あるように見せかけてきた借金・倒産王の詐欺師の実像が露見した一件なのかもしれない。
YouTubeでTrump bankruptcyとでも入力してみれば、興味深いレポートが出てくる。
2020/7/13