はみ出し駐在記

学園紛争のしっぽをつけたまま、しゃっちょこばってしか生きられない不器用なのが、煩わしいからと国外追放になった。勝手知ったる日本でもドジでトンマでおっちょこちょいが、なんの準備もなしで、ある日突然ニューヨーク支社に赴任した。赴任したその日から、見知らぬ土地でドタバタ喜劇が始まった。仕事の経験もなければ英語もろくに分からない。何もないのに好奇心だけは人一倍。見れるものなら見てやろうとどこでもここでも出て行った。起こるべくして起こったトラブルもあれば、そんなのありかとうのもある。その程度かと言われるかもしれないが、渦中にいた時は大騒ぎ。笑い話くらいにはなるかもしれない。外れた人材のはみ出し駐在記。昔の話、もう時効だろう。